現役の若手公認会計士・税理士による『わかりやすいネットビジネスの税金実務』

ネットビジネス副業をされる方が納めなければいけない6つの税金とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
宮古島の風景をバックに達成感を味わう男性

副業をされる方が納めなければいけない主な税金は、以下の6種類です。
1.所得税
2.源泉所得税
3.消費税
4.個人事業税
5.固定資産税
6.住民税

『こんなにもあるんだ!なんだか大変そう。。。』
そう思われる方のために、以下で順に説明します。

所得税

所得税は「利子所得」「配当所得」「不動産所得」「事業所得」「給与所得」「退職所得」「山林所得」「譲渡所得」「一時所得」「雑所得」のある者が確定申告により納税する税金です。

このうち、ネットビジネスで副業をされる方に深く関係する所得は「事業所得」です。
事業所得は、1月1日から12月31日の一年間で得た総収入金額から必要経費を差し引くことにより計算されます。

こうして算定された事業所得をベースにして納めなければいけない税金を算出し、翌年の3月15日までに確定申告をすることになります。

なお、副業で事業を始められる際は、『開業届』を最寄りの税務署に提出する必要がありますのでご留意下さい。⇒開業届のわかりやすい記載方法はこちら

源泉所得税

源泉所得税は、誰か人を雇った時に、その方に支払う給料から、毎月天引きで所得税を徴収して、従業員やアルバイト等の代わりに事業者が所得税を納税する制度です。

したがって、誰も人を雇っていない場合には、源泉所得税を納めなくても良いことになります。
ただし納税義務が生じてしまう場合は、非常に手間のかかる税金です。
毎月、給料の書面を作成し、税金も納税する必要がある訳ですから当然です。

こうした手間を和らげるために、納税期限の特例があります。
当該特例を利用すれば、納税は半年に1回で済ませられるため非常に楽ではありますが、その分、一時期に多額のお金が流出するため、資金繰りについては常に気を使う必要があるでしょう。

消費税

消費税は、『売上に含まれる消費税』から『支払った消費税』を差し引いた差額を納税する税金です。

消費税については、2期前の売上高が1,000万円を超えている場合にのみ消費税を納税する義務が生じますので、副業を始めて2年経たない方や、年間の売上高が1,000万円を超えていない方は、関係のない税金となります。

また、必要経費には消費税のかかる経費と消費税のかからない経費がありますが、その区分は専門家でも間違える方がいるほど難解ですので、消費税の納税義務が生じる予定の方は早めに専門家に相談することをおすすめします。

個人事業税

個人事業税は、都道府県内に『事務所又は事業所』を設け、『課税対象の法定業種』を事業として行っている個人で、『事業所得又は不動産所得の金額が一定の金額』を超える場合に納税する税金です。

個人事業税は、所得税と違い免税点が設定されており、290万円までは課税されないようになっています。
したがって、290万円を超える事業所得又は不動産所得がある場合に、290万円を超過した金額に税率を乗じた金額が課税されます。

税率は業種により異なり、「3%」「4%」「5%」の3種類の税率のいずれかを乗じることになります。

なお、確定申告をされた方は個人事業税について、ご自分で申告する必要はありません。
なぜならば、確定申告で申告した事業所得や不動産所得をベースに自動で個人事業税が計算され納税者に通知される仕組みとなっているためです。
納期は、原則として8月と11月の2回に分けて納めます。

個人事業税の税額は確定申告した事業所得又は不動産所得によって決まりますので、誤った確定申告をすると個人事業税が誤った金額で計算されてしまいます。

固定資産税

固定資産税は、『土地、家屋、有形償却資産』を対象に『1月1日』に『その固定資産の所在する市町村』によって『固定資産の所有者』に課税される税金です。

副業をされている方が注意しなければいけない固定資産は『有形償却資産』です。なぜならば、土地と家屋については登記簿等で市町村がその実態を把握することができますが、『有形償却資産』については副業をされている方からの申告がなければ把握できないためです。

そのため、副業をされている方は事業で使用している有形償却資産を1月31日までに償却資産申告書で市町村に申告する必要があります。

なお、申告が必要な有形償却資産と申告の必要がない有形償却資産があるため、申告の必要がない有形償却資産まで申告してしまい、税金の払い過ぎにならないように注意する必要があります。

納税方法は、市町村から送付される納税通知書によって納めることになります。納期は原則として4月、7月、12月、2月の4回に渡って納税することになります。

住民税

住民税は道府県民税と市町村民税からなります。個人で副業をされている方の場合には道府県民税と市町村民税を市町村が一括して徴収するので、住民税として覚えておけばいいでしょう。

住民税の計算に必要な情報は、副業をされている方の前年の1月から12月の所得金額です。通常、副業をされている方は確定申告をしているため、住民税の計算に必要な情報はすでに市町村に揃っていることになります。

したがって、わざわざ副業をされている方が住民税の計算をする必要はなく、あくまで役所が住民税を計算して金額・納期限を納税者に通知することになります。この通知は毎年6月に通知され、納期は6月、8月、10月、1月の4期である市町村が多いです。

ここで覚えておいて頂きたいことは、住民税の大部分は副業をされている方の前年の所得金額により決まるということです。つまり確定申告を誤ると、必然的に住民税も誤った金額で計算されてしまうのです。

仮に誤った金額で確定申告をしてしまった場合、数年後に役所から通知が来て、追加の納税を請求される場合があります。そして、その際の金額は、年率約4%(多い場合は10%以上の利率)を追加した税額を請求されてしまいます。当然、逃れることは出来ません。

このように、副業をされる場合の税金は種類が様々であり、求められる知識の幅も多岐に渡ることから、対応については、最寄りの税務署に相談されるか専門家に相談される等して、なるべく早めの対応をされることをおすすめします。

The following two tabs change content below.
CPA-ken
最短で東証一部上場・証券会社向け業務のチームリーダーになった現役若手の公認会計士・税理士が、ネットビジネスで副業をされる方向けに様々な情報を発信致します。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

*